2008年10月16日

カメルーン以外のODAを聴いて

数ヶ月ぶりの記事となってしまいました。。。

先日,2008年度のODA民間モニターでチュニジアを視察した方の報告会へ出席してまいりました。行ってみるとプレゼンター含め,08年度のモニターが3名おり(08年度エルサルバドル班1名,08年度チュニジア班2名),他国のモニターの報告を始めてじっくりと聴けました。

そこで感じたのは「カメルーンにおけるODAは『特殊な一例』に過ぎずODA一般を論じるにカメルーンだけを知っているのでは不十分」ということでした。
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カメルーンでのODA案件は人道的な側面が強く(「人道的」の正確な定義を知らないのでこの言葉は不適切かもしれませんが・・・),事業の内容はともかくとして,援助の必要性はどれも感じられるものでした。例えば,初等教育充実のための小学校建設や,零細漁村の支援などは,日本が支援する必要性があるかどうかはともかくとして,いずれかの先進国がサポートする必要性は十分あるように思われます。

しかし,モニターの報告を伺う限り,チュニジアでのODA案件は人道的意義というよりも外交戦略としての意義が強く,現地での必要性という意味で疑問を抱かざるを得ない案件がいくつかあったようです。
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そもそもチュニジアはどんな国なのでしょうか?

同国の1人あたりGNIは2970ドルです(2006年)。これは当時世界87位で,中国の2010ドル(102位),タイの2990ドル(85位),フィリピンの1420ドル(112位)と比べると,決して低くはない数字であることは分かるでしょう。ちなみに,日本は38410ドルで14位,カメルーンは1080ドルで122位です。

帝国書院統計資料

また,2007-2008年ダボス国際経済会議の世界競争力調査で、チュニジアは131カ国中,総合競争力で32位、ビジネス競争力で25位を占めているそうです(ソース未確認)。数字だけを見ると,チュニジアにODAが必要なのか?という疑問が沸きそうです。

さらに,ODAの額を見てみるとカメルーンはこれまでに100億円程度(ほとんどが無償資金協力)。一方,対チュニジアは2003年度までの援助実績が,円借款1784億円,無償資金協力35億円技術協力164億円だそうです。円借款がほとんどとはいえ(経済レベルを考えれば当然ですが)額の桁が違います。

国別データブック(チュニジア)

さらに国別データを読み進めると,対チュニジアODAの意義として

 チュニジアは、伝統的に親日的な国であり、穏健かつ現実的な外交政策をとり、中東地域やアフリカにおける諸問題への対応に関して我が国との戦略的パートナーシップの構築・強化を目指していること、対仏語圏諸国支援の文脈において我が国の経済協力を通じた対アフリカ外交を効果的に展開する上での重要な拠点であることなどから、チュニジアとの良好な関係を踏まえODAを実施している。

とあります。数字や表面的なデータのみしか見ていないのですが,現地での必要性という観点からすれば,LDC(後発開発途上国)などに劣るのは明らかかと思います。中身を見ずに発言するのも同かと思いますが,カメルーンへのODAと比べると「日本の都合」が非常に色濃いです。
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もちろん,ODAが税金で賄われる以上,日本のためになるような援助をするというのも正当な主張でしょう。しかしながら,援助の実績を優先する余り現地の社会システムや,不必要な建設事業を行うようでは本末転倒でしょう。見てきたわけではないので具体的な発言を控えますが,08年度のモニターの方の話を聴き,少なからず野疑問を抱かざるを得ない部分もありました。

話が散漫になってしまいましたが,国によってODAの動機や中身が違うという主張を受け止めて頂ければと思います。そういう意味で,自分が視察したカメルーンのODAをより相対化していかなければと痛感した報告会でした。
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最後になりましたが,08年度のモニターの報告書が以下で見られるので興味ある方はどうぞ。


08年度ODA民間モニター報告書
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2008年05月13日

ODA民間モニター報告会のお知らせ

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昨年度のODA民間モニターのカメルーン視察の報告会を今週日曜日(5月18日)に知人のカフェで開くこととなりました。ODA事業や青年海外協力隊に興味のある方がいらっしゃいましたら,是非参加下さい。(私の直接の知人でなくても結構です)

場所は本郷三丁目交差点付近にあるマクドナルドの大通りをはさんで向かい側,カレー屋「プティフ」が入っているビルの7階です。
(プティフの地図→http://m.tabelog.com/rst_mobile/rstdtl?rcd=13003540)

以下,オフィシャルの告知文ですので参照下さい。

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カメルーンODA民間モニター報告会〜一学生が見た“オーディーエー”
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言葉だけならば新聞やニュースでよく聞くODA。 みなさん、どんなイメージを持っていますか?
海外に対してやっている日本の援助?
途上国で橋や道路を作っている?
青年海外協力隊とどういう関係があるのか?
また,それが「誰の手によって」「どこで」「誰のために」「どのように」行われているかを知っている人は少ないのではないでしょうか?
 実は,そんなODAを民間人が視察する制度が日本にあります。
 昨年度,ODA民間モニターとして見聞きした内容をもとに
「なぜ、遠いアフリカにまで日本が支援しなくてはいけないのか?」
「本当にODAって必要なのか?」
そんなことを一緒に考えてみませんか?

▽▲▽▲イベント詳細▽▲▽▲
日時:5月18日(日)14:00〜16:00
会場:サイエンスコミュニティカフェ「Lab-Café」
   (地下鉄本郷三丁目駅近くカレー屋「プティフ」のビル7階)
プログラム:
14:00〜14:30 ODAってそもそも何?
14:30〜15:30 カメルーンで見てきたこと、考えたこと〜一学生が見た“オーディーエー”
15:30〜16:00 質問・意見交換
申し込み方法:
 事前申込制(5月17日締切)
 名前、所属、メールアドレスを明記の上、件名を「報告会申込み」として peaceyamamoto@gmail.com(山本)までメールにてお申込み下さい。
報告者のプロフィール:林 隆之 東京大学理学部4年 専門は国際関係とはまったく無縁な天文学。素人なりに感じた率直な感想を伝えたいと思います。
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2008年04月13日

側溝の蓋

日本の携帯電話は規格競争で国際的には弱い立場に立たされているそうです。ノキアなんかが国際的には優勢だそうですが,たしかに海外ローミング携帯を使う際はノキアの機種が多いですよね。

ノキアの規格が優れているか,日本の規格が優れているかの具体的な内容までは知らないのですが,単純に性能が良いだけでなく,いかに世界にアピールできるかが国際標準化への大きな鍵を握っているそうです。

幸運にも?,ブルーレイディスクなんかでは日本の規格が世界標準となることができたみたいですが,それよりも性能面で劣った規格が世界標準となりうるのが国際市場の常だそうです。日本はここらへんが弱いみたいですね。

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さて,一見関係ないような話から始まりましたが,今日は漁業センターで見つけた「側溝の蓋」の話です。

080412.JPG

これが漁業センターの側溝に使われていた蓋ですが,日本でよく見る形ですよね?? おそらく,ODAの案件を受注したのが日系企業だったのが影響しているのだと思います。もしかしたら,この蓋が国際的な規格かもしれないのですが,日本国内のみでの規格という仮定で話を進めましょう。

カメルーンで側溝に関して規格が定まっていない場合,日系企業にしてみればJIS規格の製品をそのまま使ってしまう方が何かと都合がいいのでしょう。(写真の側溝の蓋がJIS規格製品であろうことはhttp://www.634kk.com/spacer/p14.htmなどで確認できます。)

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先日,企業からのODA案件の提案を採用する方針が関係機関で確認されたようです。従来は,企業との癒着防止の為に自主制限をかけていたらしいのですが,減るばかりのODA予算の効率化を狙い制限を解除したそうです。

素人の推測に過ぎないのですが,この決定,予算使用の効率化以外にメリットがあると思います。先に述べた「規格競争」です。もし,途上国に日系企業が進出する際に,まだ支援先の国で規格が定まっていない製品を日本の規格で持ち込めば,その規格がその国の標準となる可能性が増えます。これを多くの途上国で実行すれば,国際標準に近づくことができるのではないでしょうか? もし,企業側がこのような規格競争を視野に入れたODA事案の提案を行いそれが採用されれば,国を挙げて世界の規格競争に参入することになります。

ODAという途上国支援を,「あからさまに」企業の営利の足掛かりにすることに対して嫌悪感を持つ人もいるかもしれませんが,既にODAは単なる「慈善事業」ではありません。地下資源獲得では各国が優位に立とうと戦略を持って外交を行っています。どうせ,同じ支援を行うのであれば,支援を受ける側が利益を享受できるのはもちろんのこと,支援を行う側も最大限の利益を得られるような支援を行うに越したことはないのではないでしょうか。
posted by rinsan at 00:01| Comment(14) | TrackBack(0) | 零細漁業センター

2008年04月08日

日本の競技場との比較

先日,ちょっとした陸上の大会のために駒沢オリンピック公園総合運動場まで行って参りました。

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国内の国際規格の競技場を走るのは初めてだったのですが,ついカメルーンのスタジアムと比較して,日本の競技者は恵まれてるなぁと思いました。アマチュアの自分,それも大学で陸上部に入っているわけではなく,ホントに個人でしかやっていないド素人が2500円払っただけで,本格的なスタジアムで走ることができるのですから。

以下,いくつか違いを挙げたいと思います。

・客席
カメルーンではコンクリートが裸でしたが,駒沢ではきちんとプラスチック製の椅子がありました。

・トラック
全天候舗装されているのが陸連の公認(大会を開ける)の絶対条件ですが,カメルーンはヒビだらけ。サッカーコートの整備で一杯一杯でした。

・照明
カメルーンでは照明の補修まで予算がまわらず,当分ナイトゲームは不可だそうです。

・選手控え室
カメルーンのスタジアムの控え室に入っていないのですが,駒沢の控え室ではシャワー,ロッカー完備でした。しかも改修直後。さすがにシャワーぐらいはカメルーンもつけるのかな?

文字にすると簡潔ですが,目で見ると日本の競技者がいかに恵まれているかが分かりました。

2008年04月02日

会計簿をつけること

新年度になりました。
といっても学生である限りあまり実感がないのですが。笑 気になるのは忍び寄る新学期の足音です。

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企業や役所は当然のこと,サークルや家庭でも収支を記録するのが当たり前ですよね?(家計簿についてはそうでもないかもしれませんが,その概念は周知だと思います)ところが,それが当然ではない場所もあるわけです。

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先日紹介しました,零細漁業センターでは1人の青年海外協力隊の方が施設で仕事に取り組んでいます。何か特別な技術があったり,漁業に精通していたり,なんてことはない「普通の好青年」です。では,彼が漁業センターで何に取り組んでいるのでしょうか?その成果の一例を紹介したいと思います。

漁業センターには当然,電気代や人件費などの経費がかかります。この経費を購うためには収入がなければなりません。しかし,どうやらカメルーンの方々は冒頭に述べた「収支の管理」という概念が我々ほどきっちりしていないらしく,無駄遣いなどが多くなりがちだったそうです。そこで,協力隊の方は収支を記帳するよう徹底したそうです。

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これは,センターの製氷機で製造した氷の販売の帳簿だそうです。センター全体として全く収支を記録していないなんてことはなかったのでしょうが,製氷機の氷の販売実績などはアバウトだったそうで,協力隊の方が提案して記帳を始めたそうです。

他にも,センター内の駐車場の利用料金を有料にするなど,センターのシステム作りに一躍買っているみたいです。

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提案するだけなら比較的容易にできるでしょう。しかし,協力隊の方が凄いのは利用者の意識を変えつつある点だと思っています。

もともとタダで駐車場を使えたのが突然有料になるだけでも,現地の人には大きな変化でしょう。納得いかない部分もあるかもしれません。協力隊の方は住民の方々と親しくなるところからスタートし,地元と一丸となって取り組んでいました。

ゆくゆくは,この漁業センターの事業がモデルとなって,カメルーン国内の他の地域にも同様な施設が建設されることを考えると,地道な努力というのが大きな意義を持つことが想像できますね。
posted by rinsan at 00:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 零細漁業センター

2008年03月31日

零細漁業センター

ご無沙汰しております。
春休みに入り時間ができたと思ったら,オーケストラの本番の準備でてんやわんやでした。しばらくは,演奏会ないので折りをみて行進するようにしたいと思います。

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カメルーンは比較的豊かな国であることは以前の記事に書きました。その中でも国の西側は海に面しており,漁業が盛んに行われているようです。

「盛んに行われている」と言っても,魚群探知機を用いてのトロール漁業を行っているわけはなく,3人程度が乗れる木のボートに乗って沖へ出かけ,網を使って行う程度の「零細漁業」です。

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上の写真のような漁船を使う人々を支援(この言葉が適切かどうかは分かりません。漁協みたいなものを想像すれば良いのでしょうか?)するためにあるのが,この零細漁業センターです。

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写真の建物の中には事務局は当然のこと,売買を行う市場やテナント(食堂)の入れる貸しスペース,船のモーターの手入れを行う工場etc.があります。この建物は日本のODAで作られた物ですが,運営は現地の人と1人の青年海外協力隊の方が行っています。

以上のように書くと「センター」の名にふさわしい大層立派な施設に聞こえますが,中を見てみると,

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以上のように「空間」があるだけです。しかし,この「空間」を起点として現地の人々の漁業を取り巻く状況は大きく変わったようです。次回はその詳細に触れたいと思います。
posted by rinsan at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 零細漁業センター

2008年02月07日

海に注ぐ滝

ご無沙汰しています。
大学の期末試験であっぷあっぷでございます。
理学部に所属しており,専攻は天文学科なのですが,勉強している内容はほぼ全てが物理で,直前にどうにかなるものじゃないですね。
さて,今回は理学部の学生らしく,地学的な名所を紹介しようと思います。

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カメルーンの観光名所をぱっと挙げられる人はほとんどいないでしょう。
アフリカが人類発祥の地であることは有名な話だと思いますが,例に漏れずカメルーンにも遺跡などがあるようです。食糧が豊富で過ごし易い環境は過去の人類にとっても好都合だったことでしょう。
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他にもアフリカならではの名所があります。
以下の写真がその名所です。

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一見何の変哲もない滝ですがこの滝が非常に珍しいものなのです。なんと,滝が直接海に注いでいるのです。このような滝は世界でも数えるほどしかないそうです。

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せっかくの機会ですから,なぜ珍しいのかを解説しましょう。

皆さん,大陸移動説はご存知かと思います。そして,それを説明するプレートテクトニクスもご存知かと思います。

Wikipedia-プレートテクトニクス

簡単に説明すると,プレートテクトニクスとは「地球の表面を覆うプレーとと呼ばれる板が移動している」という理論で,プレートが移動することでその上の大陸も同時に移動します。

一方,最近の理論に,プルームテクトニクスというものがあります。プレートの下にはマントルと呼ばれる層があり,この層が沸きあがったり(ホットプルーム),沈みこんだり(コールドプルーム)する場所あるという理論です。これによってもプレートは動きます。

Wikipedia-プルームテクトニクス


アフリカ大陸は丁度ホットプルームの場所に相当し,毎年かなりの速度で大陸が隆起しているのです。本来なら地表を川が流れると土砂が削られ(浸食作用),地表面は低くなるはずですが,新職の速度よりも地表の隆起の速度が速いと写真のような海に直接注ぐ川となるわけです。

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ナイアガラの滝やグランドキャニオン,デスバレーのような地学的名所にスケールは負けますが珍しさの点では決して見劣りはしないようです。

個人的な意見として,グランドキャニオンのだけためにアメリカ行くことはあっても,この滝のためだけにカメルーン行くことはなさそうですが。笑
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2008年01月19日

大麻

今回はODAなどに一切関係なくカメルーンの「自然」について触れてみたいと思います。

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日本では所持しているだけで犯罪となる大麻ですが,カメルーンでも同様に大麻所持は犯罪とされています。

出典:大麻-wikipedia

しかしながら,現地で移動中のバスから見たところ,大麻はジャングルのいたるところに自生しているようです。

080119.JPG

大麻(マリファナ)は「麻薬」として規制されているものの,依存性などが比較的弱く,また,「麻」として知られるように有用な植物でもあるため,覚醒剤などのハードドラックとは場合によっては区別されているようです。

日本では覚醒作用のある成分を抑えたトチギシロという品種が栃木県でのみ栽培を許可されており,また北海道などで自生しているらしいのですが,多くの人は「生えている大麻」を見たことがないでしょう。ところが,カメルーンではいたるところに「自生」しているわけです。

最後の自生だけ「」をつけました。というのも,中には意図的に栽培しているかのような,長方形の土地に大麻が生えている場所があるのです(バスで通り過ぎただけなので写真はないのですが)。もちろん,麻薬としての大麻ではなく繊維から織物を作るためと考えることができるのでが・・・真相は今となっては分かりません。

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2007年9月の話になってしまいますが,東京 渋谷にて

アフリカ映画最前線!カメルーン若手作家の魅力


というイベントがあり,カメルーンから帰国後比較的すぐのイベントだったため,私も訪れて映画を拝見しました(余談ですが,私はかなりの映画好きです。東京国際映画祭のボランティアをやるぐらい)。

そこで,カメルーン人監督による「告白」という映画を上映していたのですが,都市に生きる若者と麻薬の問題をテーマとした映画で,舞台をカメルーンと明言しているわけではないのでカメルーンの現状とまでは言い切れないのですが,上述の大麻の話に関連してとても興味深いものでした。
posted by rinsan at 22:34| Comment(29) | TrackBack(0) | カメルーン事情

2008年01月16日

切手になったODA事業

以前の記事で小学校建設事業に何度か触れてきましたが,今回はカメルーンからどういう扱いを受けているかの一例を紹介しましょう。

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カメルーンと日本の友好記念として刷られたのが以下の切手です。

kt_cameroon_01.jpg

出典:外国の切手になったODA
日本・カメルーン友好記念切手(カメルーン)-外務省



ODAを供与する側としては,つい「感謝されて当然」と思ってしまいますが,決してそんなことはありません。友好記念切手で相手国の国旗が印刷されるのはしばしば見受けられますが,相手国の首相の顔まで印刷されている切手はなかなかないかと思います(少なくとも日本では見たことがありません)。

次に,上の記念切手と以下のカメルーンの通常の切手を見比べてみて下さい。

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出典:カメルーン切手-ふたりdeぶろぐ

上はカメルーンの通常の切手です。発行がいつだか分からないので単純な比較はできませんが,インクの量などを考えるに先に紹介した記念切手にはかなりの経費がかかっているように思えます。

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もちろん,単純な「感謝の意」だけでなく,今後の支援をとりつけるなどのパフォーマンス的な意味合いもないわけではないのかもしれません。しかし,仮にそうだとしても,小学校建設事業が感謝されていることにかわらないわけで,供与している国に住む者として嬉しく感じます。

また,切手で描かれているのは「政府としての感謝」ですが,小学校建設事業の場合は,そこで学ぶ子どもたちの姿も想像に難くはないのですから,それを連想して見るとさらに嬉しくなってしまいます。ODA事業にはさまざまな批判がつきものですが,どのような批判をするにしろ「現地の人に喜ばれている」という事実を忘れないで議論を行いたいものです。

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小学校訪問時に子どもたちにカメラを向けると笑顔でポーズを取ってくれました。
posted by rinsan at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 小学校関連

2008年01月12日

スポーツを通じた友好関係

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

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前回の記事で触れた「国立アマドゥ・アヒジョー総合スタジアム修繕計画」実は小泉純一郎元首相の一声で行う事が決まったそうです(聞いた話なので確かなソースがあるかどうか不明なのですが)。日韓共同開催だった2002年FIFAワールドカップの中津江村の話もあり,カメルーン代表が日本国内で注目を受けたことが理由の1つに挙げられるのではないでしょうか?

参考:中津江村-Wikipedia

そんな同国のスタジアムは1972年に建設されたのですが,資金不足で一部未完成のまま使用が開始されたために痛みが激しく,アフリカのサッカー大国とは思えないような施設でした。首相が一国の一施設のそんな実情を知っていたかどうかは分かりませんが,そんな背景を考えると,ODAは単なる「援助」ではなく,何か「ストーリー」を持つものとして感じることができるのではないでしょうか?

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一方で,日本のメディアでの取り上げられ方を考えてみて下さい。

カメルーンと日本の親善試合が行われるとき,サッカーがスポーツである以上,その勝敗や試合の中身に報道の重点が起これるのは当然でしょう(丁度,私たちがカメルーンを訪問中の8月にキリンチャレンジカップとしてA代表の親善試合が行われていました)。もちろん,スポーツ担当の記者が対カメルーンのODAに精通しているとは思えないので,冒頭で述べたような「ストーリー」が詳細に報道されることを要求するのは難しいでしょう。

しかしながら,日常のこういったありきたりのニュースの中に,国家同士の友好関係やそれに携わる人々の姿を想像して見るのも悪くはないと思いませんか?

例えば,修繕計画を現地で担当している日本人の建設会社の方は「芝生の職人を是非中津江村から呼びたい」と意気込んでいました(実現は困難なようですが・・・)。そういった姿を具体的に連想するのは容易ではありませんが,スポーツを始め国同士が関わる機会は多くある中,報道される表面的な部分だけ出なく,それに関わる人の姿を見つけようとするのも,また違った見方ができて面白いのではないでしょうか??

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久しぶりの記事がこんな語り口調のもので恐縮ですが,今回はここで締めたいと思います。

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写真はスタジアム見学後の歓迎会の食事の様子です。現地の方も含め,修繕計画に関わる多くの人に集まって頂きました。